帰化申請の素行要件をマンガを使って解説

帰化申請の素行要件をマンガを使って解説

日本国籍取得には帰化の素行要件をクリアする必要があります。国籍法には素行が善良であることとあり、税金や社会保険、前科などの犯罪系、交通違反や各種公的義務の履行などカバーする範囲が広いのが特徴です。
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帰化申請の素行要件について

帰化申請の素行要件とは

 

この記事は帰化申請の素行要件について

 

 

帰化申請は原則的に7つの要件を満たす必要があります。
居住、能力、生計、思想、喪失、日本語、そして素行要件です。

 

関連記事:帰化申請の要件とは

 

帰化申請の素行要件には、善良な日本国民に求められる要素が多く含まれています。
要はルールを守れない人や悪いことをしている人は帰化させませんよです。

 

帰化申請の類似資格に永住ビザがあります。
永住許可申請にも素行要件があります。
永住ビザの方は、素行善良要件と言葉が少し違いますが。

 

関連記事:永住権の要件

 

関連記事:永住ビザの素行善良要件

 

同じ素行要件でも帰化とは少々条件が異なります。
(永住ビザの方が若干ハードルが高い傾向有ります)

 

マンガ、帰化の素行要件とは

マンガ、帰化の素行要件とは

 

帰化の素行要件をマンガに纏めました。
6コマなので情報量は少ないですが、最低限の情報は詰め込みました。

 

国籍法第5条には素行要件に関する条文があります。
正確には国籍法第3条3項になります。

 

三 素行が善良であること
引用:E-GOV法令検索:国籍法

 

文書だけ見ると、シンプルで美しいですね。
たった10文字しかありません。
問題はシンプル過ぎて、何をもって素行が善良であるかが分からないことです。

 

一般的に帰化申請での素行要件は以下の項目が該当します。

 

  1. 税金の支払いで未納や滞納がない
  2. 年金や健康保険などに加入かつ未納がない
  3. 在留カードなど公的義務を守っている
  4. 警察に捕まった事がない(前科)
  5. 交通違反の回数が少ない
  6. 経営する事業のコンプライアンスに問題なし
  7. 虚偽の書類や申請書の作成
  8. 近隣とのトラブルなど
  9. その他(総合的判断)

 

素行要件を満たしているかハッキリするのは、税金や社保、違反系の記録や数字が出るもの。
中には大きな違反はないけど、細かい違反などが多くて素行要件がダメというケースもあります。
(借金のトラブルで裁判沙汰や自己破産したなど違反ではないけど…)

 

納税義務の履行

帰化申請の納税は素行要件に

 

まずは納税義務について。
納税は日本国民の義務として日本国憲法にもうたわれています。
税金で未納や滞納がある場合は、帰化許可はできないです。

 

関連記事:帰化申請と税金について

 

帰化申請でチェックされる税金は国税と地方税になります。

 

  • 住民税(都道府県・地町村)
  • 所得税
  • 法人税
  • 消費税
  • 事業税
  • 法人住民税

 

納税証明書などでチェックされるのは上記の税目です。
会社経営者は法人税などの納税状況も審査。
概ね1年から3年分の納税状況が確認されます。
(実質は全部3年間チェックされる形)

 

また納税証明書は求められませんが…
自動車税や相続税など他の税目も未払いがあると不許可リスクが高まります。
海外の親族に対する扶養控除も要注意です。
扶養実態がないと審査が厳しくなります。
(節税ではなく脱税扱いされるリスクが高いです)

 

年金や健康保険の加入と支払い義務

年金や健康保険も素行要件

 

年金と健康保険の加入や支払いについても素行要件に含まれます。
昔は社保は審査の対象外でした。
帰化のルールが変わり、今は年金も健康保険も審査されるようになりました。
(健康保険は令和4年から審査の対象に)

 

関連記事:帰化申請と年金・健康保険について

 

厚生年金と健康保険で天引きされている方は特に気にする必要はないです。
国民年金と国民健康保険の方は要注意です。
コンビニ払いで支払い忘れ等がある場合、審査が厳しくなります。

 

また国民年金の対象者で未加入の場合・・・
これから加入して支払い実績を2年ほど積み上げる必要があります。
(昔は過去1年分の遡って支払えば良かったけど、今はダメです。)

 

会社経営者の場合は、会社での厚生年金や健康保険に加入もチェックされます。
入っていない場合、加入してから2年程度の実績が必要になります。

 

会社経営者の場合

会社役員や自営業者は本人だけでなく会社や事業のコンプライアンスも審査されます。
同居の家族が会社経営の場合もチェックが入ります。
税金や社会保険は当然ですが、他の違反も審査されます。

 

特に不法就労関係の罰則は厳しい対応がなされます。
また労働関係の違反もシビアに見られます。

 

前科や罰金などの刑罰について

前科が無いことも帰化の素行要件

 

次は懲役や禁固刑などの犯罪系について。
ある意味で素行要件で一番最初に思いつく場所だと思います。
いわゆる警察のお世話になっていない事です。

 

一定以上の刑罰があると帰化できませんか?
この様な質問が時折あります。
刑罰の種類にもよりますが、時間を置くことで日本国籍を取得できる可能性はあります。
弊所ではこの様にお答えしています。

 

帰化申請での刑事罰などを犯した場合・・・
懲役や禁固刑なら出所後、約10年間
禁固刑以上の執行猶予の場合は、終了後から10年間

 

罰金刑の場合、支払ってから5年間
罰金の執行猶予なら猶予期間終了後から約5年間

 

刑法上も上記の期間経過で刑が消滅すると言われています。
帰化申請も概ね同じくらいの時間が必要になるかと。
しかしながら、1年以上の懲役や禁固刑になると上陸拒否事由に該当します。
(退去強制(強制送還)される可能性が高いです)
今の在留資格の維持が難しくなり、帰化の話どころではないかと思います。

 

交通違反も帰化の素行要件

交通違反も帰化の素行要件

 

交通違反も素行要件の一つです。
帰化申請で許可に至らない原因の一二を争う違反です。
車やバイクを乗っている限り、交通違反になるときはなるからです。

 

関連記事:帰化申請と交通違反

 

概ねの基準は、軽い違反で直近2年2件程度と言われています。
昔は特別永住者なら年5回から6回でも大丈夫でしたが、要件の厳格化で直近2年で2件までになりました。
(状況次第で基準が変わる可能性があります)

 

ちなみに軽い違反とは青切符レベルで2点前後になります。
赤切符の場合は1回でもアウトになります。
飲酒運転や人身事故など重大な違反、免停なども同様です。

 

個人的には移動は電車やバスなどの公共交通機関を利用してほしいです。
(審査中に違反件数オーバーで不許可になる可能性も)

 

その他の素行要件について

その他の帰化の素行要件について

 

ここからはその他の素行要件に関する内容を。
まずは在留カードの届出義務です。
引っ越しなどで住所を変えた場合、住民票の異動と一緒に在留カードの住所変更も必要になります。
住民票を動かすときに一緒にしておくと手間が掛からないと思います。

 

これ単体で不許可になる可能性は低いですが…
他のマイナス点が加わることでトドメになる可能性もあります。

 

自己破産や借金のトラブル

次は借金系の話になります。
借金があることは素行要件とは関係ありません。
キチンと毎月の収入で返済出来ていれば生計要件も問題になりません。
支払いが滞納して裁判沙汰まで問題が大きくなった場合…
素行が善良とは見てもらえなくなります。

 

また借金が返せなくなって自己破産した場合・・・
素行要件で問題になります。
自己破産自体は法令違反でも犯罪でも無いですが、他人様にご迷惑を掛けた事実があります。

 

自己破産した場合、復権から7年程度の期間をあける必要があります。
一般の人と同じ扱いにはしてもらえないです。

 

関連記事:自己破産と帰化申請

 

虚偽申請も素行要件に該当

帰化申請書に嘘の内容を書いたり、都合が悪い事を書かなかったりした場合。
それが審査で発覚すると、一発で不許可になります。
基本的に役所は虚偽申請を非常に嫌います。

 

関連記事:帰化申請で嘘をつくことのリスク

 

帰化申請以外の許認可手続きでも、虚偽が見つかっただけで不許可処分。
許可が出た後に発覚した場合は、許可の取り消し&5年間の再申請禁止など。

 

帰化の場合は5年間の申請禁止は無いですが…
不許可になった経緯は法務省に残されています。
次回以降の申請は、素行要件で大きなマイナスからスタートになります。
如何なる理由があろうとも虚偽申請だけはゼッタイに止めておきましょう。

 

行政書士やまだ事務でも虚偽申請のご依頼はお引き受けできないです。
虚偽申請は依頼者さまの為にもならないです。

 

総合的な判断

最終的に帰化申請は法務大臣の総合的な判断になります。
明確に法令違反していない場合でも借金のトラブルの様なケースでマイナス評価を受けることもあります。
(ご近所トラブルで警察に相談が寄せられているなど)

 

逆に警察からの表彰などで素行面でプラスに働く場合もあります。
帰化申請書の履歴書(その2)には表彰歴などを記載する欄があります。
永住許可申請の場合、推薦状等を提出することもあります。
(帰化申請では推薦状は受け取ってもらえないけど)

 

帰化の素行要件は、税金や社会保険を払い普通に生活していれば問題になることは少ないです。
(その普通がなかなか難しい部分があるのですが…)

 

以上が帰化申請の素行要件についてでした。
ここまでお読みいただきありがとうございます。

この記事を書いた人

 

行政書士やまだ事務所 所長

 

行政書士 山田 和宏

 

日本行政書士会連合会 13262553号

大阪府行政書士会 6665号

申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)

大阪府行政書士会 国際研究会会員

大阪府行政書士会 法人研究会会員

 

【適格請求書発行事業者】

インボイス登録済

番号:T1810496599865

 

【専門分野】

外国籍の方の帰化申請(日本国籍取得)や在留資格の取得・維持管理。

年間相談件数は、500件を超える。

 

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