この記事は帰化申請の能力要件についてご紹介します。
帰化申請を単独で行うには、一定以上の年齢に達している必要があります。
帰化申請には年齢要件が国籍法第5条2項で定められています。
第五条 法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。
二 十八歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。
前半の18歳以上と言うのは、現在の日本人の成人年齢です。
令和4年3月31日までは、日本の成人年齢は20歳でしたが、2022年4月1日以降は18歳に引き下げられました。
サイトによっては、成人年齢が修正されていないため、20歳以上と書かれている事もありますが…
令和4年4月1日からは18歳以上です。
次に「本国法で行為能力を有すること」とあります。
これは帰化申請者が出身国でも成人である事です。
日本で帰化申請する場合は、日本と母国の両方で成人(大人)になっている必要があります。
具体的な例として、韓国人が日本国籍取得を機能する場合。
韓国の成人年齢は19歳で、日本の成人年齢は18歳。
この韓国籍の方が単独で帰化申請を希望する場合、19歳になるまで待つ必要があります。
18歳だと国籍法5条2項の前の要件しか満たしていない状態です。
後ろの文言部分は、19歳になるまでクリア出来てません。
法務省が発表している国籍別帰化許可者数を参考に、帰化申請者が多い国の成人年齢をご紹介します。
令和元年から3年までのデータを元に一覧表を作成いたしました。
国名 | 成人年齢 |
---|---|
韓国 | 19歳 |
中国 | 18歳 |
台湾 | 20歳 |
ブラジル | 18歳 |
ベトナム | 18歳 |
フィリピン | 18歳 |
ペルー | 18歳 |
バングラデシュ | 18歳 |
ネパール | 16歳 |
ロシア | 18歳 |
スリランカ | 18歳 |
インド | 18歳 |
アメリカ合衆国(USA) | 18歳から21歳 |
こちらの数字は法務省が公表している「世界各国・地域の選挙権年齢及び成人年齢」より抜粋いたしました。
世界各国・地域の選挙権年齢及び成人年齢は以下のURLをクリック・タップでダウンロードが可能です。
https://www.moj.go.jp/content/000012508.pdf
この統計を見ると、世界の成人年齢は18歳もしくは21歳が圧倒的です。
中にはブータンの女性16歳、北朝鮮が17歳、ネパール16歳などもあります。
あと韓国も19歳になっているので注意が必要です。
アメリカ合衆国(USA)は州ごとに成人年齢が異なります。
アメリカ籍の方が日本で帰化する際には、事前に調査が必要になります。
ちなみに成人年齢と結婚年齢は異なります。
弊所の行政書士が世界中の国の結婚年齢を調べて纏めた記事があります。
ご興味ありましたら、こちらの記事もご覧ください。
話の種になると思います。
国籍法の5条では、年齢要件は18歳以上とありますが。
実は小学生以下の未就学児も帰化の対象になります。
これは親と一緒に帰化する場合です。
両親が帰化した場合、親が日本人になった瞬間に日本人の子供になります。
日本人の子供になるので、国籍法第8条の要件が適用されます。
第八条 次の各号の一に該当する外国人については、法務大臣は、その者が第五条第一項第一号、第二号及び第四号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
一 日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの
引用:E-GOV、国籍法
この要件が適用されて、本来なら親の帰化後ですが。
実務的には両親と一緒に子供も日本国籍が与えられる形になります。
自分達の子供に日本国籍を与えたいから帰化する人も多いです。
弊所でもこの様なご相談やお問い合わせがございます。