自営業が帰化申請するときの注意点をマンガで解説

自営業者の日本国籍取得は、会社員とは違った審査になります。チェックされる税金の種類や3年分のチェックされること、事業の経営状況やコンプラ状況を証明するための資料が必要になるなど難易度が高くなります。
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マンガ、自営業で帰化申請するポイント

マンガ、自営業で帰化申請するポイント

 

この記事は自営業者が帰化申請するときの条件や注意点、ポイントなどについて。
マンガで最低限の情報を詰め込みました。

 

 

一般的に会社員や専業主婦の方より自営業者の方が難しいと言われています。
行政書士の帰化申請のサポートでも、会社員と自営業者で料金が別建てになっています。
(集める書類や検討事項が会社員と比べると多くなるから)

 

基本的な要件は、会社員も自営業者も変わりません。
居住、能力、素行、生計、喪失、思想、日本語能力の7要件が必要です。

 

関連記事:帰化申請の要件

 

  • 連続5年以上、日本に住所がある
  • 最後の3年間は就労ビザであること
  • 3年間の間、長期の出国が無い
  • 在留資格が3年以上であること
  • 生計が維持できる収入と支出
  • 税金や社会保険の加入と完納(滞納、支払い遅れなし)
  • 刑罰や前科が無い
  • 交通違反の回数が少ない(5年間)
  • 在留カード手続きなど義務を守っている
  • 帰化と同時に母国の国籍から離脱できる
  • 日本国憲法の遵守を宣誓できる
  • 日本語能力(読み書き話す)

 

箇条書きにすると日本国籍は上記の要件が必要になります。
(人によって若干変わるけど)

 

自営業者が帰化するときの注意点

自営業者が帰化するときの注意点

 

ここからは自営業者特有のポイントを書いていきます。

 

  1. 年収は納税証明書の数字
  2. 税金の税目や年数が増える
  3. 社会保険は自分と事業の分
  4. 事業の経営とコンプラ状況

 

一番大きいのは本人と事業の両方がチェックされる部分です。
それに伴って、提出する書類が増えます。
例、事業の概要や決算書や許可証など。

 

申請人本人以外で同居家族が自営業者の場合も同様の審査があります。

 

帰化申請の生計要件は課税証明書で

帰化申請の生計要件は課税証明書で

 

まずは自営業者の帰化申請の生計要件から。
要件的には自分たち家族で生計が成り立っていることが求められます。

 

関連記事:帰化の生計要件について

 

概ね年収300万円以上と毎月の収支バランスが崩れていないことが審査されます。
ここでの年収は住民税・所得税の納税証明書に書かれた所得金額になります。

 

自営業者の場合、この部分が不利になる可能性があります。
一般的に課税所得(売り上げから経費を引いたもの)は低くなる傾向があります。
税金対策とビザ更新できるギリギリまで所得を押さえる方が多いです。
(実態と帳簿上の数字が一致しない事が多い)

 

経営管理ビザや配偶者ビザなどの一般在留資格で更新できる年収。
帰化や永住権で求められる年収は金額に差があります。
(最低でも60万円程度高くなる)

 

この場合ですが、生計要件をクリアするためには所得を上げる必要があります。
自営業の帰化でチェックされる年数は3年になります。
場合によっては3年間帰化を待つことになる場合もあります。

 

自営業者の生計の概要の月収

帰化申請では生計の概要という書類があります。
これは毎月の収支を法務局に報告するものです。

 

関連記事:帰化申請の生計の概要(その1)の書き方

 

会社員の場合は、収入欄は毎月の手取り額を書きます。
自営業者の場合、月収が毎月バラバラで安定していません。
月によっては赤字になるケースもあるかもです…

 

自営業者は最新の確定申告書に書かれた収入を12で割った数字を書きます。
12で割った数字が概ねの月収になります。

 

自営業者の帰化は事業成績も審査

自営業者の帰化は事業成績も審査

 

自営業者の場合、申請者本人と事業の両方が審査されます。
経営管理ビザの方であれば、ビザ更新でチェックされていると思いますが。
定住者や配偶者ビザ、永住者の場合、経管ビザほど入管から見られません。
(税金が払えない場合は更新不可になると思いますが…)

 

特に永住者や特別永住者の方は注意が必要です。
入管の審査が入らないので、所得ゼロという方も…

 

自営業の場合、確定申告書一式を提出する必要があります。
その中には青色申告の場合は貸借対照表と損益計算書、白色の場合は収支報告書があります。
この数字をチェックされます。

 

ここで赤字の場合、難易度が高くなります。
赤字だと所得税や住民税がゼロで生計要件が厳しいです。
(法人の場合は営業利益が赤だとアウト)

 

経営状況の他、コンプライアンス状況もチェックされます。
事業で行政処分や刑事罰などを受けた場合、素行要件で引っ掛かります。
とくに入管法関係や労働法関係は注意が必要です。
外国人の不法就労系の処分を受けた場合、一発でアウトになります。

 

事業の概要で事業内容もチェック

自営業の方が申請者の場合、事業の概要と言う書類が必要になります。
これは事業内容や主な顧客、財務内容を詳細に書かせるものです。

 

関連記事:事業の概要の書き方

 

ここには利益率や従業員数なども必要です。
業界平均からかけ離れた数字になると、チェックが厳しくなる可能性があります。

 

自営業者の帰化は税金が厳しい

自営業者の帰化は税金が厳しい

 

次は自営業者の納税義務について。
納税は日本国民の義務となっており、帰化申請の素行要件に入っています。

 

関連記事:帰化と税金について

 

会社員と比べてチェックされる年数や税金の種類が増えます。
会社員であれば、直でチェックされるのは住民税です。

 

自営業者の場合は以下の税目になります。

 

  • 住民税
  • 所得税
  • 消費税
  • 事業税

 

所得税と消費税、事業税は直近3年分の納税状況が確認されます。
未払いや滞納がある場合は、素行要件で引っ掛かります。
また非課税の場合は、生計要件(年収)でマイナス評価です。

 

決算書は1年分ですが、納税証明書で間接的に3年間の事業の財務状況が審査される形です。

 

帰化における自営業者の社会保険について

次は自営業の社会保険について。
年金と健康保険の加入が必須条件になっています。
健康保険は前までは、そこまで厳しくなかったですが…
去年あたりから健康保険証のコピーの提出が必要になり、実質的に要件に組み込まれました。

 

自営業者の場合、大半は国民年金になります。
提出書類は年金定期便のコピーと原本提示、年金領収書のコピー12か月分になります。
払い忘れや未加入だと帰化は難しくなります。

 

また事業で5人以上の従業員がいる場合。
法人と同様に厚生年金と健康保険(協会けんぽ)に強制加入になります。
この場合、厚生年金への加入や支払いが要件になります。
自営業者でも厚生年金に加入(任意)で加入している場合も同様です。

 

他にも交通違反や二重国籍禁止、日本語能力などなど…
要件は沢山ありますが、別記事で詳しく書いております。
この記事は自営業者の特有の帰化要件についてでした。

 

以上が自営業者が帰化申請するときの注意点についてでした。
ここまでお読みいただきありがとうございます。

この記事を書いた人

 

行政書士やまだ事務所 所長

 

行政書士 山田 和宏

 

日本行政書士会連合会 13262553号

大阪府行政書士会 6665号

申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)

大阪府行政書士会 国際研究会会員

大阪府行政書士会 法人研究会会員

 

【適格請求書発行事業者】

インボイス登録済

番号:T1810496599865

 

【専門分野】

外国籍の方の帰化申請(日本国籍取得)や在留資格の取得・維持管理。

年間相談件数は、500件を超える。

 

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