生活保護を受給したままでの帰化申請について

生活保護を受けた状態での日本国籍取得は非常に厳しいです。生計要件が満たせていない状態です。また家族が生活保護の場合は同居か別居でも審査の難しさが変わってきます。
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生活保護と帰化申請

生活保護と帰化申請について

 

この記事は生活保護と帰化申請について。
帰化の相談で時折、生活保護を受けていますが、帰化申請できますか?
この様なお話をお聞きすることがあります。

 

結論から申し上げるなら…
生活保護を受給しながらの日本国籍の取得は極めて難しいです。
この様に申し上げた後、何とかならないのか?
一時だけ生活保護を止めたら帰化申請できないか?
と話が展開しますが…

 

生計の概要(その1)に記載する数字や納税証明書等(この場合は非課税証明書)には、生活保護を受けていた痕跡がしっかりと残ります。
一時的に生活保護を止めたくらいで、帰化は厳しいと思います。
(法務局はそんなに甘い役所ではないです)

 

関連記事:帰化申請の生計の概要(その1)の書き方

 

ちなみに帰化の類似手続きの永住許可申請でも同様です。
永住ビザの場合は、独立生計要件と国益適合要件でマイナス評価されます。
帰化や永住ビザは他の在留資格よりも、日本の国益に叶うかという考えが色濃く出てきます。

 

関連記事:生活保護と永住権について

 

 

生活保護の受給中は生計要件で満たせない

帰化申請の要件には、生計要件と呼ばれるものがあります。
最近では最低年収で300万円程度が必要と言われています。

 

関連記事:帰化申請の年収要件

 

生計要件の根拠は国籍法第5条にあります。

 

四 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。

 

引用;E-GOV法令検索、国籍法

 

生計要件は申請者と同居する家族で生活が成り立つ程度の収入があることが求められます。
生活保護は単独では生計維持ができない状態です。
生活保護に至る事情は色々と同情するべき部分があると思いますが…

 

家族が生活保護を受給している場合

次に申請者は生活保護を受けていないけど、家族が受給している場合について。
その家族と同居している場合は、帰化の可能性は厳しいです。
生計要件にもある様に、「生計を一にする家族」の部分で引っ掛かります。

 

同居しているけど住民票の世帯が別になっている場合も同様です。
生活保護には世帯分離という考えがありますが、帰化申請は生活保護とはルールが異なります。

 

次に別居している家族が生活保護を受給している場合について。
この場合は申請者が独立して生計を立てているならば、帰化の可能性があります。
(普通の申請よりは難しくなりますが)

 

別居していれば可能性があるとお話すると…
なら私が1人暮らしして、別居すれば帰化は大丈夫ですか?
この様に仰る方も。

 

理論的には可能性が無いとは言えないですが。
住民票を動かして、時間が経たない間に帰化申請は…
正直、帰化の可能性は高くないと思います。
(素行要件的にマイナス評価されるリスク大)

 

役所はこの様なテクニック的な手法を非常に嫌います。
法務局での事前相談や本申請、面接で厳しく追及されます。
なので住民票を動かしての帰化申請も個人的にはお勧めしません。

 

生活保護からの対策は、実質的に保護からの脱却しかありません。
必ずしも生保=不許可の図式にはなりませんが。
(帰化は法務大臣の総合的判断で決定するため)
簡単な話ではないと思います。

 

ちなみに申請者が自己破産している場合、直ぐには帰化申請は難しいです。
復権を得てから大体7年間は待つ必要が出てきます。

 

関連記事:帰化申請と自己破産について

 

以上が生活保護と帰化申請についてでした。
ここまでお読みいただきありがとうございます。

この記事を書いた人

 

行政書士やまだ事務所 所長

 

行政書士 山田 和宏

 

日本行政書士会連合会 13262553号

大阪府行政書士会 6665号

申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)

大阪府行政書士会 国際研究会会員

大阪府行政書士会 法人研究会会員

 

【適格請求書発行事業者】

インボイス登録済

番号:T1810496599865

 

【専門分野】

外国籍の方の帰化申請(日本国籍取得)や在留資格の取得・維持管理。

年間相談件数は、500件を超える。

 

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