帰化申請に必要な期間について

帰化申請で必要な期間をご紹介します。行政書士がお手伝いした案件での平均は12カ月から14カ月になります。ご自身でされる場合はバラつきがあります。あと龍谷大学が調査した帰化申請の期間についてのアンケートもご紹介します。
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帰化で許可が出るまでに必要な時間について

帰化に必要な期間について

 

この記事は帰化申請で必要な期間についてご紹介します。
お問い合わせでも非常に多い質問内容です。
(申請を検討している人はほぼ全員)

 

 

最初に結論を書きます。
帰化申請で準備から許可までに必要な期間は、12か月から14か月程度になります。
日時の内訳は以下の通りです。
この数字は弊所でお手伝いした方や同業者から聞いた数字の平均になります。
(申請者の状況で期間は前後します)

 

  • 書類の準備から受理まで:2か月~3か月
  • 受理から面接まで:3か月~4か月
  • 面接から結果発表まで:6か月から9か月

 

帰化の流れは上記の様に3つに分けられます。
詳しくは別記事で解説しています。

 

関連記事:帰化申請の流れについて

 

帰化申請は許可までの長いか?

帰化申請は許可までの長いか?

 

画像のグラフは龍谷大学の李洙任教授が2011年に行った調査結果の一部。
調査の名称は「日本の移民政策に連動する帰化制度のあり方」で科学研究費の助成を受けて行われたものです。
調査内容は帰化申請者1000名にアンケートを送信して得られた情報になります。

 

こちらの質問内容は、
「帰化手続きを始めてから、帰化が許可になるまでの期間を短いと感じましたか?長いと感じましたか?」
詳細な数字は以下の通りです。

 

質問内容 人数 割合
とても短かった 8 4.73%
短かった 21 12.43%
どちらでもない 49 28.99%
長かった 67 39.64%
とても長かった 22 13.02%
無回答 2 1.18%
総計 169 100%

 

引用:日本の移民政策に連動する帰化制度のあり方

 

サンプルするは169人と多いとは言えませんが、貴重な帰化に関するデータです。
回答者の半分(52.66%)が長いと感じると仰っています。

 

平均で1年はかかる手続きですので、長いと感じる人が多いのは理解できます。
ちなみに弊所でも、「長いな…」とうんざりした声をお聞きすることが多いです。

 

回答者の3割の人は「どちらとも言えない」と回答してます。
行政書士のホームページなどで数字を見て、こんなものだと考える方も居られたのだと思います。

 

帰化申請に必要な時間の内訳

帰化に必要な期間について

 

ここからは帰化許可までの期間に内訳について解説します。

 

事前相談の予約から受けるまで

帰化申請は書類準備の前に、法務局の国籍課で事前相談を受ける必要があります。
この事前相談は完全予約制で、早くても2週間、遅ければ数か月待ちもあります。
(キャンセルで空きがでれば早くなることも)

 

関連記事:帰化申請の事前相談

 

書類集めに入る前に、時間が取られる可能性があります。

 

書類の準備から受理まで:2か月~3か月

まずは帰化の準備段階で必要な時間です。
帰化申請で唯一、申請者側がコントロールできる部分です。
帰化申請は必要書類が非常に多いです。

 

関連記事:帰化申請の必要書類一覧

 

特に母国から取り寄せる出生証明書などの収集と翻訳に時間が必要です。
母国に帰るか現地の親族に動いてもらう必要があり、これだけでも1か月以上かかることも普通にあります。
また法務省に請求する出入国記録も1か月ほど時間がかかります。

 

海外の書類に目途が付いたら、区役所や税務署などの書類を集め出します。
(使用期限があるため、早く取りすぎると使えなくなるリスクあり)

 

一通りの書類が揃った段階で申請書一式を作成します。
作成にも時間がかかります。

 

次に法務局の事前相談と本申請にも予約が必要です。
(事前相談を経ないと取得できない書類あり)
ここで1か月ほど待たされます。

 

受理から帰化の面接まで3か月~4か月

申請書が受理されたら審査スタートです。
あとは法務局に全てを委ねるしかありません。

 

書類提出後、3か月から4か月後に面接があります。
法務局で個別面接を受けます。
場合によっては日本語テストもあるかもです。

 

関連記事:帰化の面接について

 

帰化申請中の事情変化について

帰化申請中の事情変化

 

書類提出後に出国や結婚、転職など申請書と状況が変わった時は法務局に報告が必要です。
忘れると審査でマイナス評価されるリスクがあります。

 

関連記事:帰化申請中の出国について

 

面接から結果まで6か月~9か月

面接が終われば結果が出るまでひたすら待ちます。
この間が非常に長いですね。
この間に転職や出産など状況が変化した場合は法務局に報告します。
この事情変化が帰化で不許可になる原因です。

 

関連記事:帰化ができない理由について

 

また法務局から電話が掛かってくることもあります。
審査中は知らない電話番号でも無視しない方が良いです。

 

6か月から9か月後に法務局から結果通知の電話が掛かってきます。
その後に官報にも氏名や住所が掲載されて、帰化が許可されます。

 

関連記事:官報で帰化許可を確認する方法

 

準備から受理までに要した日数の調査結果

帰化の準備に必要な時間についえ

 

上記の画像は「日本の移民政策に連動する帰化制度のあり方」の調査結果の一部です。
このアンケートの質問内容は、
「法務局に始めて帰化相談に行かれてから、申請が受理されるまでどれくらい時間が掛かりましたか?」
流れの第一段階の部分になります。

 

この質問への回答データは以下の通りです。

 

日数 人数 割合
半年以内 72 42.6%
半年から1年以内 62 36.69%
1年から2年以内 22 13.02%
2年から3年以内 3 1.78%
3年以上 6 3.55%
無回答 3 1.78%
無効 1 0.59%
総計 169 100.00%

 

引用:日本の移民政策に連動する帰化制度のあり方

 

この数字を見ると、申請者の半数近くは半年以内に受理にこぎつけています。
この部分は弊所での平均的な数字と大きく変わらないです。
ボリュームゾーンは1年以内でゴールしている方が多いです。

 

しかし受理までに長期化している人もかなり居られます。
事前相談から1年以上掛った人は6割以上になります。
中には2年、3年かかった人も…

 

個人的には、2年~3年かけて受理まで持って行った人を尊敬します。
何度も法務局でリテイクを受けても諦めずに頑張ったのだと思います。
本当に凄いです。

 

もしくは事前相談の段階では要件を満たしていなかったから、数年待ってから帰化申請した可能性です。
弊所での相談でも珍しくありません。
年金に加入していなかったり、出国期間で居住要件が満たせていなかったりは普通にあります。

 

帰化申請が遅くなった理由

帰化申請が遅くなった理由

 

帰化申請に時間が掛かる理由は、いくつかあります。

 

  1. 審査が長いこと、この部分は申請者や行政書士が関与する事ができません。
  2. 腰が重いケース。
  3. 書類集めに苦戦した場合。
  4. 要件を満たすのに時間が必要な事例。

 

これらについて簡単に解説します。

 

腰が重いケース

帰化申請に締め切りはありません。
特に特別永住者や永住ビザの方だと、10年後に帰化でも問題はありません。
就労ビザや配偶者ビザなどの一般の在留資格の場合は期限がありますが、更新ができるなら今日明日を急ぐものでもないです。

 

自分だけで帰化しようとする場合、強い意志が必要になります。
(他者からの圧力があるなら話は別ですが)
気が付けば何もしないで数か月、数年経っていたは良くある話です。

 

この部分の解決策は、本人の気持ちに火をつけるしかないです。
どうして帰化したかったのかを思い返して見るのは如何でしょうか。
(答えになっていない気がしますが)
ある意味では一番解決が難しい部分です。

 

書類集めに苦戦した

帰化の必要書類は膨大です。
帰化申請で一番大変なのは、受理されるための書類集めと作成です。

 

この部分をカバーするのは、専門家の力を借りるのも一つの手です。
行政書士のサポートが入ればスピードは各段にあがります。

 

要件を満たすのに時間が必要

帰化申請や永住許可申請と一般の在留資格の違いは、要件を満たすのに時間がかかることです。
他の在留資格なら数か月でクリアできる内容でも数年かかる事はザラにあります。

 

特に時間が掛かるのは、重い交通違反(飲酒運転、免停や罰金)、出国日数が多いケース。
最悪は5年から10年待ちになるなることも珍しくありません。
年金などの社保関係なら2年くらい、転職や独立した場合は1年待ちも。

 

この部分は時間が解決するのを待つしかありません。
その間に新しいトラブル(交通違反など)を起こさないように気を配るくらいですかね。

 

帰化に必要な期間はこのくらいですかね。
以上が帰化申請で必要な期間でした。
ここまでお読みいただきありがとうございます。

この記事を書いた人

 

行政書士やまだ事務所 所長

 

行政書士 山田 和宏

 

日本行政書士会連合会 13262553号

大阪府行政書士会 6665号

申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)

大阪府行政書士会 国際研究会会員

大阪府行政書士会 法人研究会会員

 

【適格請求書発行事業者】

インボイス登録済

番号:T1810496599865

 

【専門分野】

外国籍の方の帰化申請(日本国籍取得)や在留資格の取得・維持管理。

年間相談件数は、500件を超える。

 

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